勉強期間1週間、もちろん仕事しながらでITIL Foundationに合格したので、その時の勉強方法についてです。
これから受験する方の参考になればいいかなと思って記事にしました。
最初に
試験主催者(運営会社)が「EXIN」から「PeopleCert」に変更になっていますので注意してください。
PeopleCertになってから受験料金も47,401円とだいぶ高額になっています。
試験番号は、「PC0-002J」、試験名は「ITIL Foundation」になりますのでプロメトリックで申し込む際は、PeopleCertを指定してください。
試験範囲や内容については、EXINの旧試験内容と変わりないため対策本もそのまま使用できます。
まずは受かった証拠から
とりあえず記事の内容を考えれば"証拠"を掲載したほうがいいと思うので載せておきます。
試験結果は90点でした。 100点だと思ってたんですが...どこで間違ったかさっぱりわかりません。
65/100(40問中26問以上正解)で合格なので難易度は低いです、合格率は80%くらいと言われています。
が、なめてかかると普通に落ちるそうなのでしっかりと勉強しましょう。
資格試験まで時間的な余裕がない、とにかく受かればいい
資格試験までに残された時間がほとんどない方や「ITILの中身はどうでもいい、とにかく受かればいい」という方は、クラムメディアのオンライン問題集(6000円/1ヶ月)を買って「問題と回答」を丸暗記するのが一番手っ取り早いです。
なぜなら、この問題集にある問題が実際の試験で"そのまま同じ問題文"で出る確率が高いからです。
無料サンプルは以下のリンクから確認できます。
【 無料サンプル問題】EX0-001 ITIL Foundation (syllabus 2011) (旧試験番号:EX0-117)
実際に購入した方のレビューを見てもかなり高い確率でこの問題集にある問題がそのままでるようです。
EX0-001 ITIL Foundation (syllabus 2011) (旧試験番号:EX0-117)
クラムメディアの問題集を買って手っ取り早く済ませる方は、これ以上記事は読まなくてもOKです。
そうではなく、ちゃんとITILの中身を理解した上で試験に合格したいという方は以降を読んでぜひ参考にしてください。
何はともあれまずは対策本を購入
とりあえずITILの試験対策本をどれか1冊購入しましょう。
いくつか種類がありますが、私が購入したのは、”黄色本”と呼ばれる「IT Service Management教科書 ITIL ファンデーション シラバス2011」のKINDLE版(電子書籍)です。
私が受験した頃は対策本の中では比較的新しく、いちばん有名だったからです。
また、KINDLE版したのはタブレットを持っているので本を持つより荷物にならなし、電車の中でも手軽に読めるからです。
ダウンロードできるので、タブレットがネットにつながっていなくても読むことができます。
これがおススメというわけではないので、できれば書店で手にとって自分にとって一番わかりやすそうなものを選べばいいと思います。
新しめだと以下のような書籍があります。
評価が高いのはこっちの書籍ですね。
対策本を読む前に意識しておいてほしいこと
対策本を読む前に必ずITILの構成と重要な用語である「プロセス」について理解してから対策本を読んでください。
ITILとは
ITILは、「ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)を体系化してまとめた書籍群」です。
Information Technology Infrastructure Library の頭文字をとって「ITIL」と呼ばれています
ITILには、ITサービスのライフサイクルを5つの段階(フェーズ)に分けて、そのそれぞれでどいった活動をしていけばよいかがまとめられています。
ITILの全体の構成を図で表すと以下のようなイメージです。
ITサービスに必要な各ライフサイクル、そしてその全てに関わる継続的サービス改善があり、それらを統合して成功に導くために管理/運営してことが「サービス・マネジメント」と言えます。
ITILで最も重要な用語「プロセス」とは
ITILを理解するには、「プロセスとはなにか」がとても重要です。
ITILで言うところの「プロセス」とは、「特定の目標を達成して成果を得るために必要な一連の活動」です。
なんのこっちゃ?と思う方も多いかと思うのでもっとかみくだいて言うと「目標を達成して成果を得るためにやるべきことと、それをやるのに必要ないろいろなことがら」を「プロセス」という言葉で表しています。
なにか目的があって物事を行うときは、当然その目的が生まれる"きっかけ(トリガ)"があって"やり方(方法とか手順)"や"誰が何を担当してどういった責任を負うか(役割)"があり、"実際の行動(活動)"を経た結果として"成果(結果)"があります。
このようにきっかけから成果に至るまでのすべての活動が「プロセス」です。
とりあえずはこんなイメージだと思っておいてもらえれば良いです。
「リソース」、「能力」、「機能」とは
「リソース」とは実際のITサービスを支えるサーバーなどのIT機器や人材(人手としての人材)など、「お金を出せば集められるもの」だと思ってください。
「能力」とは、人材(スキルや経験をもったまさに"人材")やナレッジ(知恵)など、「お金を出してもなかなか集められないもの」だと思ってください。
「機能」は上で説明した「リソース」と「能力」を持ち、それを使って成果に対して責任を負う「組織」です。
「機能」と聞いて一般的にイメージする内容とは異なるので注意してください。
例えば、「病院」をイメージしてください。
病院に風邪をひいた患者が訪れたとします。
医者が患者を診察し、検査や薬を処方して最終的に患者は風邪が完治します。
患者を診察する「医者」や医者の補助をする「看護師」が人材(能力)、検査に使うレントゲンや検査器具、治療のための薬などが「リソース」にあたります。
また電子カルテや診察の予約システムも「リソース」に含まれます。
医者や看護師には、それぞれ決められた「役割」があり、役割の範囲内で負う「責任」があり、組織の枠組みの中でそれぞれの役割や責務を果たしています。
すなわち「病院」は、「風邪をひいた患者を治療して健康な状態に戻す」という「プロセス」の「機能」になります。
とりあえずは、ITILの全体像の概要と「プロセス」、「リソース」、「能力」、「役割」、「機能」についてざっくりでもいいので理解した上で対策本を読んでください。
対策本を一度通しで読む
まずは一度通しで対策本を最後まで読んでください。
内容があまり理解できなくても「ふーん」程度の感じで読み進めて貰えばいいです。
章末や巻末の問題も読むだけで回答しなくてもいいですし、回答が間違っててもいいです。
まずは一度読んでITILの全体像のイメージを把握してください。
重要な用語、キワードをまとめる
対策本を一度読み終えたら、今度は各章ごとにしっかりと内容を理解しつつ読みます。
その章にでてくる重要な用語とその定義、またその用語がどの場所(階層、位置)にでてくる用語なのか意識して覚えましょう。
各章の用語やその定義などについてまとめたドキュメントを作りましょう。
まとめは、ノートに書くよりもWordなどの電子ドキュメントで作ったほうが後々便利です。
書かないと覚えられないという方はノートでもいいですが、後述するスマホとチェックシートを使った暗記方法を使う場合は、電子データで作ったほうがいいです。
以下は、私が実際にWordにまとめたサンプルです。
記憶するべき部分を赤字にしたり、Wordの"蛍光ペン"機能でマークしておきます。
視覚的に理解しやすく図で各用語の関係性を表す
ITILの試験対策として重要なのは、各用語がどの場所というか位置にあるのかを理解することがとても重要です。
例えば、「IT運用管理」という用語がありますが、"「IT運用管理」プロセスは、ITILコア書籍の「サービス・オペレーション」の「機能」の1つであり、「IT運用管理」の活動には、「IT運用コントロール」と「施設管理」がある”、といった具合に階層的に覚えている必要があります。
書籍やまとめたノートだけだとどうしても文字だけとなってしまい、階層構造を意識しづらくなります。
私の頭の出来の問題なのかもしれませんが、もし私と同じように階層構造をイメージしづらい場合は、図に表しながら覚えていくと良いと思います。
私が使ったのは、本来の使い方とは違いますが、図が書きやすいので「マインドマップ」ツールを使って階層構造を表現しました。
こんな感じです。(XMINDを使っています)
マインドマック作成ツールの「XMIND」については以下の記事を参照してください。
また作図ツールを使うならdraw.ioがおすすめです。
どちらも無料で使用できます。
スマホ、タブレットとチェックシートを使った暗記方法
学生時代に一度は使ったことがあるかと思いますが、暗記用のチェックシートを買ってきます。
ダイソーとか100均で売ってるもので構わないです。
スマホやタブレットにWordをインストールしておけばWordで作られたドキュメントを開くことができますので、Wordで作ったまとめノートの覚える必要がある部分を赤字にしておいて赤のシートをかぶせると赤字部分が消えます。
Wordでまとめノートを作っておくと、フォント色を変えたり戻したりが簡単にできますのでとても便利です。
その他単語帳的な記憶方法が向いている方は、単語帳と同じように使えるアプリがあるのでそれを利用するのも良いかもしれません。
ただし、暗記帳を作る場合はそれなりに時間もかかるので受験までの残された時間を考慮することを忘れずに。
ちなみに私は1週間しかなかったので単語帳はあきらめて、Wordのまとめノートとチェックシートで暗記しました。
演習を行う
各章のまとめと暗記が終わったら、その章に関する演習問題に挑戦しましょう。
対策本の各章に絞って演習問題ができる「ping-t」がおすすめです。
対策本の全ての章が終わったら「無料de試験」で演習問題に挑戦しましょう。
ping-tとは異なる言葉の表現になっていますので、きちんと理解していればping-tと同じくらいの正解率になると思います。
受験前までに正解率が90%以上になることを目指してください。
問題集を解くときに気をつけてほしいこと
ITILの試験問題に回答する際は、必ず「なぜその選択肢が正しいのか」、「なぜ他の選択肢は間違っているのか」を必ず説明できることを確認してください。
受けてみて分かりましたが、実際の試験では、ping-tや無料de試験の問題で使われている言葉の表現と違う形ででてくることが多かった印象があります。
この問題文に対してこの回答という覚えた方では対応できないと思います。 きちんと内容を理解した上で記憶していることが大切です。
また、もし正しい回答がわからなくても間違っている選択肢を消すことで正しい回答を導けるますので、問題集を解く時は必ず意識してやってほしいです。
不正解だった問題を復習する
不正解だった問題は、必ずその問題に該当する章をしっかり読み直して、内容を再確認し記憶しなおしましょう。
もし不正解だった問題が自分がまとめたノートを見ても回答できないような問題だった場合は、まとめに漏れがあることになるのでしっかり追記して暗記しましょう。
ITIL Foundationに確実に合格する最強の組み合わせ
試験合格のための最強の組み合わせとしては、対策本 + クラムメディアの問題集といった感じでしょうか。
対策本で内容を理解して、ping-tや無料de試験で演習して、最後の締めくくりにクラムメディアの問題集と言った感じでしょうか。
ただトータルで1万円近くかかるのと、クラムメディアは購入しても使えるのは1ヶ月間のみとなります。
受験費用は、会社負担がほとんどだと思いますが、対策本やクラムメディアの使用料金まで会社負担してもらえるケースは少ないと思います。
ITILに合格後
ITILに合格すると試験日から10日前後でPeopleCertから2通のメールが届きます。
プロメトリック経由で申し込んで受験したかPeopleCertで直接受験を申し込んだかで若干日数に違いがでます。
1通目はPeopleCertのサイトのログインパスワードのリセットに関するメール、2通目はITIL Foundationの認定証(PDF版)のダウンロードURLと紙の認定証の購入申し込みのURLが記載されたメールです。
合格すると自動的にPeopleCertのサイトにユーザー登録されるようで、初期パスワードは通知されず、リセットして新たに設定し直すことになります。
PeopleCertのサイトへのログインは以下からできます。
PDF版は無料ですが、紙で欲しい場合は有償で、4,400円です。
受験料といい認定証の値段といいPeopleCertに変わってからだいぶぼったくられる印象です。
まとめ
ITIL Foundation試験合格のための勉強方法についてまとめました。
ITIL Foundationは、ITILの基本的な部分、特に用語と用語の定義に関する部分が中心となるので難易度は低いと思います。
普通1日1~2時間の勉強時間が確保できて、土日にある程度まとまった時間勉強が確保できるのであれば対策本1冊と勉強期間として2週間もあれば十分合格できると思います。
ちょっと厄介なのは、覚えることが多いのと言葉の表現が少し分かりづらいと言った点が上げられます。
学生時代と違って、物事を暗記するという機会がめっきり減った今の時代に、たくさん暗記しなければならいのは人によっては苦痛に感じるかもしれないです。
暗記が苦手だったり、試験勉強というものにすっかり離れてしまった方には、暗記法や勉強法の書籍を一度読んでみるのも良いかもしれません。
試験勉強前に何冊か読みましたが、池田義博さんの本はとても参考になりました。
書いて覚える派の方には、オススの一冊です。
以上、記事を読んいただきありがとうございました。
合格できることを願ってます!
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