「BOOTフェーズで失敗」でWindows 11にバージョンアップできない場合の対処方法

PC正常性チェックに不合格となるPCをネットに出ているレジストリをいじる方法でWindows11にバージョンアップするとエラーが発生してWindows 10 に戻ってしまうことがあります。

例えば、0xC1900101 - 0x40017や0xC1900101 - 0x30018でFIRST_BOOTフェーズ、SECOND_BOOTフェーズで失敗などです。

記事ではバージョンアップ失敗の原因が「PxHlpa64.sys」の場合を例にして、原因の調査方法と対処方法を説明します。

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発生するエラーについて

Windows 11にバージョンアップする際の「PC正常性チェック」をパスできず、Windows 11にバージョンアップできないような古いPCをWindows 11にバージョンアップする方法は、ググればたくさん出てくるかと思います。

レジストリをいじったり「/product server」オプションでインストールするなどが多いかと思いますが、それを実行しても以下のようなエラーが出てWindows 10に戻されてしまう場合があります。

Windows 10に戻された後、以下のようなメッセージが表示される場合があります。

エラーメッセージ

Windows 11をインストールできませんでした
お使いのPCは、Windows 11のインストールを開始する直前の状態に戻りました。

0xC1900101 - 0x40017
BOOT 操作中にエラーが発生したため、インストールは SECOND_BOOTフェーズで失敗しました

とか、

0xC1900101 - 0x30018
SYSPREP_SPECIALIZE 操作中にエラーが発生したため、インストールは FIRST_BOOTフェーズで失敗しました

などのエラーメッセージが表示されます。

原因

私が経験した上記2つのエラーは、両方とも原因は互換性のない古いデバイスドライバ(PxHlpa64.sysなど)がインストールされているためでした。

「PxHlpa64.sys」は、DVDドライブ関連のデバイスドライバファイルのようです。

ちなみにエラーの原因と対処についてですが、表示されている番号を以下のMicrosoftのページで確認すればある程度わかります。

Windows 10 のアップグレード解決手順 - Windows Client
windows 10 のアップグレード中に問題が発生したときにスローされる一般的なロールバック コードである、0xC1900101を処理するための一般的なトラブルシューティング手順について説明します。

とはいっても、具体的な手順は記載されていないので、この記事ではもっと詳細な原因の特定方法と対処方法を説明します。

原因となるデバイスドライバの特定方法

必ずしも「PxHlpa64.sys」が原因とは限らないので、Windows 11へのバージョンアップが妨げられる原因となっている互換性のないデバイスドライバを特定する手順を以下に記載します。

Windows 10のスタートメニューを右クリックして[設定]をクリックし、[Windows の設定]画面を表示し、[更新とセキュリティ]をクリックします。

[更新とセキュリティ]画面の左メニューから[Windows セキュリティ]をクリックします。

[Windows セキュリティ]画面から[デバイスセキュリティ]をクリックします。

[コア分離]の下にある[コア分離の詳細]をクリックします。

[オフ]になっていると思うので、右にスライドして[オン]にします。

すると、少し待ったあと以下のようなメッセージが表示されるます。

「メモリ整合性を開始できません。互換性がない可能性があります。」

メッセージが表示された後に画面に戻ると、以下のように[互換性のないドライバーを確認する]と表示されているので、クリックします。

[互換性のないドライバー]画面が表示され、以下のようにドライバーのファイル名が表示されているはずです。

ここでは、「PxHlpa64.sys」が互換性のないドライバであることが表示されています。

PCによっては、「PxHlpa64.sys」以外のファイル名が表示される場合がありますが、基本的な対処方法は同じです。

[コア分離]はデフォルトオフなので、オフのままでよいです。

対処方法

対処に必要な手順は以下の2つになります。

  1. デバイスドライバファイルを削除する
  2. デバイスドライバファイルを参照しているレジストリキー、値を削除する

以下に手順を記載します。

デバイスドライバファイルを削除する

原因が「PxHlpa64.sys」だった場合、これから説明する手順を実行するとDVDドライブやisoファイルのマウント、エクスプローラーを使用したisoファイルの中身の参照ができなくなる場合があります。
あらかじめWindows 11のインストールイメージ(isoファイル)からすべてのファイル、フォルダをPCの任意のフォルダにコピーしておいて、対処完了後はコピーしたフォルダからセットアッププログラムを実行してインストールするようにしてください。

エクスプローラーを起動し、C:\Windows\System32\Driverseフォルダを開きます。

原因となっているデバイスドライバのファイル「PxHlpa64.sys」を右クリックし、ショートカットメニューから[削除]をクリックし、削除します。

レジストリキー、値を削除する

「PxHlpa64.sys」に関連するレジストリキーや「PxHlpa64.sys」を参照しているレジストリの値を削除します。

レジストリの操作は、操作を間違うとOSそのものや機能、またアプリなどが動作しなくなる可能性があるのであらかじめバックアップを取った上で自己責任で行ってください。

[Windows]キー + Rキーを押して[ファイル名を指定して実行]を表示し、[名前]ボックスに”regedit”と入力して[OK]をクリックします。

レジストリエディタが起動するので、ファンクションキーのF3を押します。

[検索]ボックスが表示されるので、[検索する値]ボックスに”PxHlpa64.sys”を入力して[次を検索]をクリックします。

”PxHlpa64.sys”に該当するレジストリキーが見つかったら、レジストリキーを右クリックし、[削除]をクリックします。

削除の確認メッセージが表示されるので、[はい]をクリックし、削除します。

続けてファンクションキーのF3を押して検索を繰り返します。

以下のようにレジストリキーの値として設定されている場合は値のみを削除します。

値の削除をする場合は、以下のような警告メッセージが表示されるので、[はい]をクリックして削除してください。

ファンクションキーのF3を押して以下のメッセージがでればすべての「PxHlpa64.sys」に関するキーと値が削除されたことになるので、メッセージが表示されるまで検索、削除を繰り返してください。

参考

参考として、私のPCで検索した際のレジストリキー、値を記載しておきます。

レジストリキー

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Installer\UserData\S-1-5-18\Components\FAE012B053463674DAD928EE81E4F93F

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services\PxHlpa64

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\FirstBoot\Services\PxHlpa64

※上記3つのレジストリキーは、キーごと削除

レジストリキーの値

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\SharedDLLsキーの値「C:\Windows\system32\drivers\PxHlpa64.sys」

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\SharedDllsキーの値「C:\Windows\system32\drivers\PxHlpa64.sys」

※キーは残して値のみ削除

以上で対処手順は終了です。

もう一度古いPCをWindows 11にバージョンアップする手順を実施して再度Windows 11をインストールしてみてください。

「PC正常性チェック」をパスできないような古いPCを無理やりWindows 11にバージョンアップする方法については以下の記事にまとめてありますので、そちらも参考にしてください。

【レジストリ編集不要】正常性チェック不合格PCをWindows11に無理やりバージョンアップする一番簡単な方法
レジストリ編集不要で「PC 正常性チェック」に合格できずWindowsUpdateからWindows 11にバージョンアップできないPCを無理やりWindows 11にバージョンアップする簡単な方法を説明します。す。2025年10月でWin...

まとめ

Windows 11にバージョンアップした際にエラーが発生してWindows 10に戻ってしまう場合の原因と対処方法についてまとめました。

今回は、「PxHlpa64.sys」が互換性のないドライバとして検出された場合の例となりますが、別のドライバファイルだった場合は、ファイル名でググってデバイスを特定してください。

デバイスがデバイスマネージャから削除できるものであればデバイスを削除したほうが良いと思います。

私の方では確認できませんでしたが、デバイスを削除すればC:\Windows\system32\driversフォルダからも削除される可能性があります。

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