誤って削除してしまったデータやフォーマットしてしまったドライブからデータを復旧することができるデータ復旧ソフト「MiniTool Power Data Recovery Free」のレビュー記事です。
実際にどの程度普及できるか操作方法も含めて紹介します。
MiniTool Power Data Recovery Freeで使用できる機能
データ復旧ソフト「MiniTool Power Data Recovery Free」は無償で使えますが、有償版と比べて使用できる機能に制限があります。
「MiniTool Power Data Recovery Free」で使用できる主な機能と制限は以下のとおりです。
- 復元したデータの保存(復元可能データ量の制限は1GBまで)
- 復元する中身のプレビュー機能
- ベーシック/ダイナミックディスクから復元
- スキャン結果の保存(読み込み不可、保存のみ)
無償版と有償版の機能の差異については、以下のMiniToolの公式ページを参照してください。
MiniTool Power Data Recovery Freeのインストール
MiniTool Power Data Recovery Freeのダウンロードサイトを開き、[ダウンロード]をクリックしてインストールプログラムをダウンロードします。
MiniTool Power Data Recovery Freeのインストールウィザードが起動するので[今すぐインストール]をクリックします。
インストール先のフォルダを変更したい場合は、[カスタムインストール]をクリックすれば任意のフォルダをインストール先に指定できます。
以下の警告が表示されます。
この警告の意味ですが、もし復旧しようとしているファイルがCドライブに存在する場合、CドライブにMiniTool Power Data Recovery Freeをインストールすると、インストールファイルが復旧しようとしているファイルを上書きしてしまう可能性があります。
上書きされると復旧できる可能性が低くなるため、このような警告が表示されます。
可能であれば復旧対象となっているドライブ以外にインストールすることをおすすめします。
そのままインストールするのであれば[はい]をクリックして先に進みます。
MiniTool Power Data Recovery Freeのインストールが開始されます。
「インストールが完了」画面が表示されるので、そのままMiniTool Power Data Recovery Freeを起動する場合は[今すぐ開始]をクリックしてください。
データの復旧方法
今回MiniTool Power Data Recovery Freeで復旧を試すPCは、リカバリディスクからリカバリをした直後のPCで、アプリケーションインストールやデータファイルの保管などは行っていないPCになります。
つまりOSに関連したファイル以外は何もない状態です。
では実際に削除されたデータの検索と復旧を行ってみます。
MiniTool Power Data Recovery Freeを起動して復旧したいドライブを選択して[スキャン]をクリックします。
画面左下にスキャンの進捗状況が表示されるので、スキャンが終了するまで待ちます。
以下のようなメッセージが表示されればスキャンは完了です。
復旧できる可能性のあるファイルがパス(階層)表示されるので復旧したいファイルがあると思われるパスを参照します。
ファイルのタイプ別に表示できますので、復旧したいファイルの種類が限定できる場合は、[タイプ]をクリックしてファイルの種類別表示に切り替えたほうが復旧対象ファイルを探しやすいと思います。
例えばjpgファイルを復旧したい場合は、[タイプ]表示から[画像] > [jpg]をクリックして、ファイルの一覧から復旧したいファイルをクリックします。
[プレビュー]画面に画像がきちんと表示されていれば復旧できる可能性が高いです。
今回はPCリカバリ前に保管されていたPDFファイルを復元させてみます。
[タイプ]画面から[ドキュメント] > [pdf]をクリック、「操作マニュアル.pdf」を選択して[プレビュー]をクリックします。
以下のようにプレビューでファイルの内容がきちんと表示されていれば復旧できる可能性が高いです。
「操作マニュアル.pdf」を右クリックし、ショートカットメニューから[復元...]をクリックします。
復元したファイルを保管するフォルダを選択して[OK]をクリックします。
復旧(保管)が完了すると以下のメッセージが表示されます。
この容量が0になると無償版ではそれ以上復旧ができなくなります。
保管したpdfファイルを開くと、以下のようにしっかり中身が確認でき、復旧されています。
フィルタ機能について
復旧したいファイルを見つけやすくするための「フィルタ機能」について説明します。
画面左上の[フィルター]をクリックすると「ファイルタイプ」、「更新日時」、「ファイルサイズ」、「ファイルカテゴリー」の4つのフィルター指定が表示されます。
ファイルタイプ
画像、ビデオ、音声、ドキュメント、Eメール、データベース、アーカイブの7種類のファイルタイプで絞り込みができます。
更新日時
過去1日/1週間/1ヶ月/1年での絞り込みと日付区間を指定することができる[カスタム]での絞り込みができます。
ファイルサイズ
1MB 、1MB~100MB、100MB~1GB、1GB以上から選択、もしくはサイズを指定して絞り込みができます。
ファイルカテゴリー
検索対象を全てのファイルとするか「削除されたファイル」のみとするか指定して絞り込みができます。
スキャン設定について
ファイル復旧のためにドライブをスキャンする際のスキャン方法を設定することができます。
MiniTool Power Data Recovery Freeの画面の左のメニューから[スキャン設定]をクリックすれば設定画面が表示されます。
スキャン中のスキャン結果表示有無、スキャンするファイルシステムの指定、スキャン対象とするファイルタイプの指定ができます。
削除されたパーティションからのデータ復旧
最後に一度パーティションを削除、フォーマットしたドライブからパーティション削除前に保存されていた「C:\work」フォルダを復旧できるか試してます。
USB接続されたSSDドライブ(Dドライブ)のパーティションは以下のようになっています。
パーティションを一度全て削除して「未割り当て」領域にします。
この時点でDドライブに保管された全てのファイルは削除されています。
余談ですが、パーティションを削除する際にWindowsの「ディスク管理」からは全てのパーティションの削除できなかったので、無償で使用できるMiniToolのPartition Wizard無料版を使いました。
無償版ですが、ひととおりのパーティション操作ができる便利でありがたいソフトウェアです。
「未割り当て」領域となったDドライブに新たにパーティションを作成し、NTFSでフォーマットします。
パーティションの構造も変更前とは異なり1つのパーティションのみの状態となります。
以前とはパーティション構造もサイズも変更され、フォーマット(クイック)されたドライブをMiniTool Power Data Recovery Freeでスキャンします。
スキャンが完了し、スキャン結果では145.77GB、877,207ファイルが復旧されたと表示されています。
ここから削除されたパーティションに存在していた「C:\work」フォルダを見つけます。
「紛失されたパーティション#4(NTFS)」上に存在することがわかったので、「work」フォルダのチェックをオンにします。
復旧可能なファイルの一覧から試しに1つの画像ファイルをクリックして[プレビュー]画面を表示させると画像がきちんと表示されていることがわかります。
フォルダ丸ごと復旧させたいので、このまま[保存]をクリックします。
保存先フォルダを指定して[OK]をクリックします。
「c:\work」フォルダの中身が全て復旧されていることが確認できます。
復旧された画像ファイルを全て確認しましたが、と画像が破損していたり、開けないファイルは特にありませんでした。
まとめ
フリーのデータ復元ソフト「MiniTool Power Data Recovery Free」で削除されたデータを復元してみました。
パーティションを全て削除して、さらにサイズの異なるパーティション構造に変えてフォーマットをしたにもかかわらず、ファイルが全て復旧できたのはなかなか素晴らしいなと思います。
しかも無償版で利用できる機能の範囲内でできるのは大変助かります。
もし誤ってファイルやフォルダを削除してしまったりしたらMiniTool Power Data Recovery Freeを使用してデータが復旧できるか試してみてください。
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