Android端末(スマホ、タブレット)とWindows PCをUSB接続してadoコマンドを使えるようにするために必要な作業手順を覚書。
adoコマンドを使えるようにするためには、Android端末側とWidnows PC側にそれぞれ設定やソフトをインストールしなければなりません。
この記事ではAndroid端末、Windows PCの各端末側の設定手順や必要なソフトウェアのインストール方法について詳細に覚書しました。
adoコマンドを使えるようにするために必要な作業の概要
Windows PC側、スマホやタブレットなどのAndroid端末側で必要な作業の概要です。
Windows PC側で必要なこと
Windows PC側で必要な作業は以下のとおりです。
JDKのインストールと環境変数の設定
adbコマンドを使用するために必要なAndroid SDKをインストールするためには、まず前提としてJDK(Java Development Kit)のインストールと環境変数(JAVA_HOME)が必要となります。
Android SDKのインストール
adbコマンド(adb.exe)を使用するためには、Android SDKのインストールが必要となります。
SDK platform-tools のインストール
Android SDKをインストール後にadbコマンドが含まれるplatform-toolsを追加でインストールする必要があります。
環境変数(path)の設定
adbコマンドをいちいちパスを指定して実行しなくても良いように環境変数(path)にadb.exeのパスを追記しておきます。
USBドライバのインストール
Android端末とWindows PCをUSB接続するために必要なUSBドライバをインストールします。
Android端末側(スマホ、タブレット)で必要なこと
Android端末側で必要な作業は以下のとおりです。
開発者向けオプションの表示
USBデバッグを有効化するために通常は非表示となっている"開発者向けオプション"という設定項目を表示させます。
USBデバッグの有効化とPC接続の許可
USBデバックを有効化しないとadbコマンドが使用できません。
また、USBデバックを有効化後に接続しているWindows PCに対してUSBデバック接続を許可する設定が必要となります。
以降に各手順の詳細について記載します。
Windows PC側で必要な作業の手順
以下にWindows PC側で必要な作業の手順について記載します。
JDKのインストールと環境変数の設定
JDK(Java Development Kit)のインストールと環境変数(JAVA_HOME)の設定手順についてはすでに別の記事で紹介していますのでこの記事では省略します。
詳細については以下の記事を参考にしてください。
Android SDKのインストール
JDKをインストールしたら次はAndroid SDKとPlatform-toolsをインストールします。
以下にAndroid SDKのダウンロードからインストール、Platform-toolsの追加インストールまでの手順を記載します。
以下にAndroid SDKのダウンロードからインストールまでの手順を記載します。
以下のリンクをクリックしてAndroid SDKのダウンロードサイトを開きます。
Download Android Studio and SDK Tools
Android SDKのダウンロードページが開いたら、「Other Download Options」と表示されている箇所まで画面下にスクロールします。
「Other Download Options」の下に「SDK Tools Only」と記載されている場所の「installer_r24.3.4-windows.exe」リンクをクリックします。
使用許諾ページが表示されるので「 I have read and agree with the above terms and conditions」のチェックをオンにして[DOWNLOAD installer_r24.3.4-windows.exe]をクリックします。
ダウンロードされた installer_r24.3.4-windows.exe をダブルクリックします。
[セキュリティの警告]画面が開きますが、[実行]をクリックします。
[Android SDK Tools Setup]ウィザードが開始され、Welcome画面が開くので[Next >]をクリックします。
[JAVA SE Development Kit]画面が表示されるので[Next >]をクリックします。
[Choose Users]画面が開くので、どちらかのオプションをオンにして[Next >]をクリックします。
※現在ログインしているユーザーのみでAndroid SDKを使用する場合は[Install just for me]、Windowsにログインする全てのユーザーで使用したい場合は[Install for anyone using this computer]をオンにしてください。
[Choose Instarll Location]画面が表示されるので、Android SDKをインストールしたいフォルダを指定して[Next >]をクリックします。
※デフォルトパスが長いのでC:\android-sdkに変更していますが、インストール先は任意です。(必ずインストール先のパスを控えておいてください)
デフォルトのインストールパスがイマイチな場所なので"C:\android-sdk"に変更しています。
[Choose Start Menu Folder]画面が表示されるので変更する必要がなければそのまま[Next >]をクリックします。
[Installing]画面が表示されインストールが開始されます。
正常にインストールが終了すると[Installation Complete]画面が表示されるので[Next >]をクリックします。
[Completing the Android SDK Tools Setup Wizard]画面が表示されるので、[Start SDK Manager(to download system images,etc.)]のチェックをオンにしたままで[Finish]をクリックします。
[Finish]をクリックすると数秒かかってから[Android SDK Manager]の画面と[Android SDK Manager Log]画面が表示されますので[Android SDK Manager Log]画面の[Close]をクリックし、[Android SDK Manager]の画面をアクティブにします。
[Android SDK Manager]の画面がアクティブになるので[Tools]フォルダを展開し、[Android SDK Platform-tools]のチェックをオンにし、[Install 1 package...]をクリックします。
[Choose Packages to Install]画面が表示されるので画面右下の[Accept License]をオンにし、[Install]をクリックします。
インストールが正常に終了("Android SDK Platform-tools"の"Status"が"Installed"と表示される)したら[Android SDK Manager]の画面を閉じます。
以上でAndroid SDKのインストールとplatform-toolsの追加インストールは終了です。
platform-toolsの追加インストール
Android SDKのインストールが終了したら次は"adb.exe"が含まれるplatform-toolsを追加でインストールします。
platform-toolsの追加インストールの手順を記載します。
環境変数にado.exeのパス(path)を設定する
Android SDKとPlatform-toolsのインストールが終了したら次は"adb.exe"のパスを環境変数"path"に追加します。
以下にadb.exeのパスを環境変数"path"に追加する手順を記載します。
まず[スタート] > [コントロールパネル] > [システム] をクリックします。
[システム]画面が表示されるので、左のタスク一覧から[システムの詳細設定]をクリックします。
[システムのプロパティ]画面が表示されるので[環境変数]をクリックします。
[環境変数]画面が表示されるので[システム環境変数]の一覧から[Path]を選択して[編集]をクリックします。
[システム変数の編集]ダイアログボックスが表示されるので、[変数値]ボックスに記載されている文字列の最後に";" + Platform-toolsをインストールしたフォルダのフルパスを入力します。
Platform-toolsのフォルダは通常Android SDKをインストールしたフォルダ配下に作成されますので、例えば、上記で説明したインストールの例だと、Android SDKのインストールパスが"C:\android-sdk"なので、Platform-toolsのフォルダパスは
C:\android-sdk\platform-tools
になります。
従って、以下のように文字列";C:\android-sdk\platform-tools"を[変数値]ボックスに記載されている文字列の最後に追記します。
[変数値]にPlatform-toolsフォルダのフルパスを追記したら[OK]をクリックし、他の画面も[OK]をクリックして全て閉じます。
以上でadb.exeのパスを環境変数に追加する手順は終了です。
USBドライバのインストール
Android端末とPCを接続するためのUSBドライバをインストールします。
手順を記載したいところですが、USBドライバのインストールは各種Android端末によって方法というかインストールするアプリが異なるので、ここでは詳しくは記載しません。
使っているAndroid端末のキャリア(au、Softbank、ドコモ...ect)のホームページやメーカーのホームページにインストール方法が記載されているのでそちらを参照してください。
開発者向けオプションの表示
Android端末とPCを接続できたら次にAndroid端末の"開発者向けオプション"メニューを表示させます。
"開発者向けオプション"の表示手順を以下に記載します。
Android端末で[設定]画面を表示し、[バージョン情報] > [ソフトウェア情報] > [その他]をタップし、[ビルド番号]が表示されている画面を出します。(xperia Z3だと[設定] > [端末情報])
※端末によって[ビルド番号]までたどり着く方法が異なりますので、使用している端末のマニュアル等を参照してください。
[ビルド番号]を以下のメッセージが表示されるまで連続でタップします。
「お客様はデベロッパーになりました。」
[設定]画面に戻り[開発者向けオプション]メニューが表示されていることを確認します。
以上で"開発者向けオプション"の表示手順は終了です。
USBデバッグの有効化とPCとのUSBデバッグ接続の許可設定
[開発者向けオプション]メニューが表示できたら、次は"USBデバッグ"の有効化とPCとのUSBデバッグ接続の許可を行います。
以下に手順を記載します。
Android端末の[設定]画面から[開発者向けオプション]をタップします。
[開発者向けオプション]画面が表示されたら[デバッグ]欄の[USBデバッグ]のチェックボックスをタップし、チェックをオンにします。
Android端末とPCをUSBケーブルで接続します。
以下のメッセージが表示されるので、[OK]をタップします。 「USBデバッグを許可しますか?」
接続したPCで常にUSBデバッグを許可する場合は、[このコンピュータは常に許可する]のチェックをオンにして[OK]をタップすれば次回以降そのPCに接続した際はUSBデバッグ接続が常に許可された状態となります。
以上でUSBデバッグの有効化とPCとのUSBデバッグ接続の許可は終了です。
長かったですがこれでやっとPCからadbコマンドを使えるようになります。
adbコマンドが使えるかどうかの確認
最後に実際にadbコマンドが使えるかどうか確認しましょう。
確認する手順は以下のとおりです。
まず最初にAndroid端末とPCを接続します。
USBデバッグ接続の許可メッセージがAndroid端末側に表示された場合は[OK]をタップします。
Windowsのコマンドプロンプト(DOS窓)を起動します。
以下のコマンドを入力し、[Enter]を押します。
adb version
以下の画面のように「Android Debug Bridge version X.X.XX」を表示されれば、まずはadbコマンドが実行できる環境が整ったことになります。
次に以下のコマンドを入力し、[Enter]を押します。
adb devices
以下の画面のように「List of devices attached」と「XXXXXXX(端末を表すデバイスID) devices」が表示されればUSBで接続されているAndroid端末に対してadbコマンドを実行できる状態になっていると言えます。
以上でUSB接続したAndroid端末にadbコマンドが正しく実行できることを確認する手順は終了です。
まとめ
USB接続したAndroid端末にadbコマンドを実行できるようにするために必要な環境の構築を説明しましたが、Windows側、Android端末側と結構手間がかかります。
adoコマンドが使えるとAndroid端末のバックアップ/リストアやAndroid端末の操作だけでは無効化できないアプリの無効化、PCにダウンロードしたapkファイルを使ってPCからAndroid端末にアプリをインストールさせたりすることができます。
Android端末だけではできないことが色々できたりもしますので、興味がある方はぜひadbコマンドの実行環境を整えてみてください。
コメント
参考にさせていただきました。が、
次に以下のコマンドを入力し、[Enter]を押します。
ado devices
は
adb devices
ですね。
あーでさん、コメント、指摘ありがとうございます。
スペルミスしてましたね、修正して更新しました。