会社などの環境下で使う場合、認証プロキシ(proxy)を通して外部(インターネット)に出るかと思いますが、VirtualBoxで作成したLinux仮想マシンをそういった環境で使用する場合に必要な設定手順について紹介します。
初心者にもわかりやすいように画像つきで詳細に説明していますので是非参考にしてください。
ちなみに設定自体は、仮想マシンでも物理マシンでも変わりませんのでVirtualBoxに限った設定ではなく、Linuxをプロキシ環境下で使うときの設定と思ってもらってかまいません
認証プロキシについて
インターネットを使って外部に出る際にプロキシサーバー経由でインターネットにつないでいる場合、VirtualBoxで作成したLinuxの仮想マシンにも同じようにプロキシの設定をしておく必要があります。
また、プロキシサーバー経由でインターネットに接続する際にユーザー名とパスワードの入力(認証)を求められるかと思います。
そのような認証を必要とするプロキシ環境下でLinux仮想マシンを使うために必要な設定手順を説明します。
Linuxでのプロキシ(proxy)設定について
Linux OSにプロキシ設定をする場合には、以下のように何通りか方法があります。
- 起動時に実行される設定ファイルにプロキシ設定を追加する
- アプリケーションごとのconfファイルに設定を追加する
- exportコマンドにより都度環境変数に設定する
...etc
今回は一度設定すれば都度設定しないで済む方法であるprofile(/etc/profile)ファイルにプロキシ設定を追加する方法について説明します。
/etc/profileファイルは、sh系のシェルを使ってOSにログインした際にロードされる設定ファイルです。
/etc/profileにプロキシ設定を追加しておけば、OSにログインさえすればプロキシ経由で外部に出ることができる状態になるのでとてもらくちんです。
例えば、yumなどでアプリケーションのインストールやアップデートするときも勝手にプロキシ経由で実行してくれます。
Linuxでのプロキシ(proxy)設定手順
では実際の手順の説明に移りますが、手順については、以下の記事で作成したCentOS7のLinux仮想マシンを前提とした手順となります。

ネットワーク接続の確認
作業を始める前にまずは、Linuxの仮想マシンにログインしてネットワークがきちんと接続されているか以下の手順で確認してください。
CnetOS7の右上部(電源アイコンあたり)を右クリックするとパネルが表示されるので[有線設定]をクリックします。
[ネットワーク]画面が開くので、スイッチを[オン]に変更し、右の歯車のアイコンをクリックします。
[有線]画面が表示されるので、[自動接続する]をオンにして適用をクリックします。
[ネットワーク]画面に戻るので右上の[X]ボタンで画面は閉じてしまって良いです。
以上でネットワーク接続と今後OS起動時は自動でネットワーク接続されるように設定されたので、以降は特にネットワーク接続について気にする必要はなくなります。
デフォルトでCentOSは、ネットワーク接続はオフになており、気づきづらい設定なので最初に設定してしまった方があとあと不要なトラブルを回避できます。
/etc/profileへのプロキシ設定追加手順
CentOS7の画面を右クリックし、ショートカットメニューから[端末を開く]をクリックします。
コンソール画面が開くので、以下のコマンドを入力し、[Enter]を押してrootユーザーにスイッチします。
su -
パスワード入力を求められるので、rootユーザーのパスワードを入力します。
※入力したパスワードは、画面上表示されません
rootユーザーにスイッチできたら、以下のコマンドを入力して[Enter]を押して/etc/profileファイルを標準エディタで開きます。
gedit /etc/profile
/etc/profileファイルがエディタで開かれるので、一番下の行までカーソルを移動します。
ファイルの末尾にプロキシ設定を追加しますが、設定するプロキシ文字列は単純なプロキシサーバーのURLではなく、認証に必要な値を含めた以下のような文字列となります。
ユーザー名:パスワード@プロキシサーバーURL:ポート番号
例えば、プロキシサーバーが"aaa.proxy.bbb.com"、ポート番号が"8080"、ユーザー名が"yamada"、パスワードが"pws0123"だったとした場合以下のようになります。
yamada:pws0123@aaa.proxy.bbb.com:8080
上記の例をもとに、実際に追加する設定を以下に記載します。
PROXY="yamada:pws0123@aaa.proxy.bbb.com:8080"
export http_proxy="http://$PROXY"
export https_proxy="https://$PROXY"
export ftp_proxy="ftp://$PROXY"
export HTTP_PROXY="http://$PROXY"
export HTTPS_PROXY="https://$PROXY"
export FTP_PROXY="ftp://$PROXY"
export no_proxy="127.0.0.1,localhost"
export NO_PROXY="127.0.0.1,localhost"
※1行目のプロキシ設定文字列は、自身の環境にあわせて変更してください。
no_proxy(NO_PROXY)の行についてですが、他に追加するIPアドレス等がある場合は",(カンマ)"で区切って追記してください。
以下の画面は、プロキシ設定を追加した/etc/profileです。
/etc/profileに追記したら、エディタの画面上部にある[保存]ボタンをクリックして保存します。
保存できたら画面右上にある[X]ボタンでファイルを閉じてください。
コンソール画面に戻り、以下のコマンドを入力して[Enter]を押して設定を適用します。
source /etc/profile
コンソール画面にいくつかの警告が表示されているかもしれませんが気にしなくて良いです。
コマンドを実行した際にエラー等表示されなければOKです。
コンソール画面で"exit"と入力し、[Enter]、ログインユーザーに戻るので再度"exit"と入力し、[Enter]を押してコンソール画面を閉じます。
以上で設定は終了です。
Linux操作に不慣れな初心者の方も対象としているため、GUIでの操作をメインに説明しましたが、viが使えるのであればvi使って同じように追記してもらえばよいです。
viエディタで設定を追加する場合
TeraTemなどからssh接続してviエディタを使って/etc/profileを編集するのであれば、一般ユーザーで接続後rootにスイッチして/etc/profileをviで開いて編集してください。
参考までにviで編集するなら、"o(小文字オー)"で最終行に行追加して挿入モードに遷移、ファイルの保存と終了は、[ESC]、":wq"です。
保存後、"source /etc/profile"を実行、設定を有効化してください。
まとめ
VirtualBoxで作成したLinux仮想マシンに認証プロキシ設定を行う手順について紹介しました。
初心者の方でもわかりやすいようにGUIベースでエディタを使った手順となっていますので是非参考にしてください。
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